それは誤解です
最近やたらと、印パ系の同学が私に食べ物をくれる。
何でだろう、と思いつつ断るわけにもいかないから取り敢えず頂戴し、後でお礼をする、の繰り返し。
今日も、日本から持ってきた蕎麦を茹でて夕食にしよう、と共用キッチンへ行くと、パキスタン同学に捕まってしまい、なぜか一緒に夕飯を食べる羽目になった。
本来ならお蕎麦をお裾分けしたかったのだが、私が持っていためんつゆの原材料にお酒があったので、敬虔なムスリムである同学には分けてあげられなかった。
残念。
で、食べながらムスリムは今でも一夫多妻制なのかとか、パキスタン最大の社会問題は何か、と聞いて色々と雑談をした。
ちなみに、彼の専門は「ニュース分析」だそうな。何でも、パキスタンではメディアに勤めていて、その道8年のキャリアがあるそうだよ。
そして、彼のお兄さんは日本の東京で博士号を取得して今、パキスタンで大学教授をしているそうだが、ちょっと眉唾だなぁと思っている。
だって、「東京のなんていう大学?」って聞いても「知らない」って言ってたし、兄弟が日本にいたわりには、日本のことをまったく知らなすぎるもの。
まあ、それはいいとして。
雑談といっても、彼は中国語があまり話せないので英語混じりだけど、パキスタン最大の社会問題が「電力不足」だと言われて驚いた。
てっきり教育問題とかその辺かと思っていたが、未だに電力不足に悩むくらいの発展具合なんだね。
私が今まで話したことのあるパキスタン人はみんな、日本かここ中国で出会っているから、やはり海外に出られるレベルの人だし、自分が相応の教育レベルだから、社会全般的な教育問題なんてそれほど重視していないのかなぁ。
でも以前、別のパキスタン人から、パキスタンの教育問題は本当に深刻で、かなり取り返しのつかないレベルにまで達していると聞いた。
教育の機会も均等ではなく、男女差はもちろんのこと、都市部と農村部の格差も大きすぎるそうだ。
例えば、大都市ではそれなりの学校数と教師数が確保されているが、農村部は学校自体ほとんどなく、教師もいないので、数時間かけて小学校に登校しても、先生が来られなくなったから休校、というのがざらにあり、まともに教育が受けられないそうだ。
しかし、今日聞いたのはまったくそんなことに触れていなかったので、やはり出身階級で問題意識が違うのかな。
私が今日話していた同学は、5人兄弟で姉妹を含め、全員が大卒だといっていたから、相応の階級出身じゃないかな、と予測している。
なんやかんやとお喋りをしながら、気付けば私が自分で準備した蕎麦以外に、あれこれ食べさせられた。
もうハッキリ言って、お腹が破裂しそう。
しかし、次々に「これを食べろ」と勧められる。夜だし、こんなにたくさんは食べられないと言うと、「少食すぎる」と言われてしまった。
そこで知ったのだが、私はどうやら「まったく食べていない」と思われているようだ。
それは最近、自炊が面倒で外食続きだからだが、ムスリムは食べ物に制限があるので、基本的にムスリム専用レストランでしか外食が出来ない。
私は制限がないので、中華だろうが洋食だろうが手当たり次第に食べている。
しかし、それに気付いていない印パ系同学から、「自炊していない=食べていない」と思われていたようだ。
それは完全に誤解です。
確かに、ストレスで全然食べられない期間もあったけど、ここ数日は食欲がある。
食べ物をやたらとくれるのは、そういう訳だったのか…。
ありがたいような、ちょっと複雑な気持ちであります。