みみずくDiary in China (だった)

中国留学からニッポンに帰国したみみずくによる普段着の徒然日記

平壌

記憶がフレッシュなうちに、覚書。

ちょっと前の話になるが、北朝鮮は平壌にある某大学副校長でいらっしゃるという某教授が私のいる大学に講演にお見えになるとのことで、全く専門外だけど聴講に行ってきた。

 

日本ではほとんど会えない北朝鮮人だけれど、実はこの国ではそこまで珍しくもない。

留学生として普通にいる*1ので、同じ教室で机を並べて一緒に講義も受けるし、一緒にディスカッションなどもする。

私は興味津々でお国事情を色々と聞きまくっていたけど、普通に返答してくれる。

私が日本人だからといって嫌な顔をされたこともないし、私が交流したことのある北朝鮮人留学生は、紳士で感じの良い男性ばかりだ。

(ちなみに、留学生は身なりも良く、そして既婚子持ち男性が圧倒的に多く、独身男性や女子留学生は私個人は見たことが無い。)

また、国営の朝鮮料理レストランも街中で普通に営業している。

私は行ったことが無いのだが、外から覗いてみる限り、国営レストランの従業員は今度は反対に若い女性しかいない。既婚か未婚かまではわからないが。

 

という訳で、北朝鮮の大学教授ってどんな感じなんだろうと、ただそれだけを知りたくて、講座に潜入してきた。

混雑して前の席しか空いていないと気まずいので、開始時間十数分前に会場に入るが…、ビックリするほど誰もいない。

まだ時間もあるし、あとから人が来るのかなと思っていたが結局来ず、会場はがらんとしたまま講座が始まった。

すみの方で自習している3人ほどの学生を除くと、聴講しに来たのは私を含め5人程度。

あとは、関係学部の先生方が4~5名ほど列席していらしたので、聴講者は全部で10名程度。

ほとんどが関係者で、聴講者は実質私ひとりといっても過言ではない状況だった。

 

主催の先生の冒頭挨拶で、

「某教授とはもう15年来の付き合いで…」

「某教授は元々韓国の方で…」

「某教授は中国本土、香港、台湾、アメリカやイギリスなどで研究をされ…」

 

と、引っかかるワードがてんこ盛りだったので、その場で某教授のお名前をググって*2みると、平壌にあるこの某大学は、韓国・朝鮮の合弁私立大学であることが分かった。

なるほど、ということは、この某教授は韓国の方なんだな…。

それなら諸外国での研究歴も納得できるし、外見もすごく韓国っぽいなぁと感じたのもわかる。

そしてこの某教授は、私のいる大学のみならず、中国全土の様々な大学で講演活動をしていらっしゃることもわかった。

な~んだ、北朝鮮人大学教授じゃなかったのか…。(^▽^;)

自分の早とちりとはいえ、少々ガッカリしてしまった。

講座の内容も、専門外ということに加えて韓国のことしかお話しにならなかったので、質問タイムの前に退席して来てしまった。

 

あ、そうそう。

この某教授はスマホをお持ちになっていた。

北朝鮮でもお使いのものかはわからないけど、一般的に中国と韓国では同じ通信方式なので、母国と同じスマホを使っている韓国人留学生が多い。

もしかしてこの某教授も、平壌でも同じスマホをお使いなのかしら。

それにしても、韓国人でありながら平壌の大学で教鞭を執り、平壌で暮らしてるってどんな感じなんだろう…?

(余談だけれど、奥様は台湾でお暮らしとおっしゃっていた。確かに、こう言っては何だけど、平壌はわざわざ住みたい場所ではないよね…。)

学生はどんな感じで、昨今の南北朝鮮問題にはどのようなお考えをお持ちなのだろう…?

質問タイムまで残って聞いてみればよかったかしらね…?

 

という訳で、Meet北朝鮮人大学教授は早とちりに終わってしまった、ある日のレポート。

*1:今学期からは、ミサイル発射問題への措置として中国政府による奨学金の打ち切りなどがあったので、新入生としての留学生はほとんど見かけなくなったが、それでも普通にいる。

*2:正確には、Googleはこちらでは遮断されているので、「百度一下」だけどね。( *´艸`)