堰を切る
色々な思いや感情が抑えきれなくなって、遂に溢れてしまった。
堰を切る、ってこういうことを言うのかなぁ…。
グシャグシャに泣いて、泣いて、泣いて、泣いた。
味方が欲しかった。
私の人生に、ひとりでいいから、味方が。
でも考えてみると、幸せな人生でもあったと思っている。
どこにも誰にも頼る身寄りがなくとも、こうして生きて行けている。
やはり私は幸福な人なのだ。
色彩豊かな人生は歩めなかったけど、少なくとも細い道を時には大胆に、時にはおっかなびっくり歩いて来られた。
たくさんの名も知らぬ人々に親切も分け与えてもらえた。
赦されて人生を終える日、名も知らぬ人々にもらった愛情と親切をどのように感謝したら伝わるのだろう。
早くその日が来て、たくさんの感謝を伝えたい。
私はとても幸せに生かしてもらいました。
堰が切れたあと、残ったのは満ち足りた私だった。