みみずくDiary in China (だった)

中国留学からニッポンに帰国したみみずくによる普段着の徒然日記

新年快乐!

2017年1月28日、ようやく中華圏も新年を迎えた。

ちなみに、例年1月1日は、中国人にとって特別な日ではない。

普段の休日と同列の扱いである。

 

旧暦と春節

中国在住者にとっては説明するまでもないことであるが、中国及び中華系住民の多い国々では、未だに旧暦(農暦)で物事が動いている。

よって、中国人や中華系の人々には、誕生日も新旧暦で2つあるし、確認を取らなければどちらが身分証上の誕生日なのか皆目わからないという、外国人にとっては甚だ面倒な状況がある。

旧正月のことは、こちらでは「春節」などとも呼ばれるが、この日(毎年変動する)は、中国人にとって、ガチで最重要な日である。

この日を家族と過ごすために仕事を頑張っている、と言っても全く大げさではない。

 

中国の伝統的家族観

中国の伝統的な価値観では、人々は

  • 結婚し、家族を持ち、子どもを産み育てて一族を繁栄させる

ことが最善とされる。

日本のようなDINKS(Double Income No Kids)や未婚・非婚なんて、まだまだ受け入れられていないのが実情なのだ。

春節を家族で過ごすため、春節前後の長距離列車のチケットは、春節に帰郷する人々が総出で参加する壮大な席取り合戦となり、それに敗れた人々は至る所に「チケット譲って下さい」の貼り紙を出したり、駅付近をウロウロしたり、と毎年恒例のそれはそれは壮絶な争いである。

都会で出稼ぎをしている層にとっては、春節は都会で稼いだお金を持って故郷に帰る、いわば「故郷に錦を飾る」ための大切な日で、この日のためならば犯罪を厭わない人々も存在する。

よって、出稼ぎ労働者の多い街に住んでいると、春節前は街の雰囲気が殺伐とし、治安が悪化する厄介な時期でもある。

しかし、その人々も三々五々帰郷していき、あれほど渋滞していた車も減り、四六時中うるさい中国なのに、街中がしばしの間(通常に比べ若干)静かになる春節の雰囲気は、私は実は嫌いではない。

 

除夕の晩餐会

私の在籍している大学では、中国人の一年で最も大事な春節に、何らかの理由で帰れなかった“可哀想な”学生を対象に、春節前日の除夕に「大晦日晩餐会」が開催される。

とはいえ、大部分の留学生にとって春節なんて何の意味もないので、留学生が大半を占めるのだが、私は毎年それに参加して、美味しくもないタダ飯(勿論中華!)を食べ、部屋で飲んだくれる、というのが恒例だ。

今年も不味い中華を食べ、部屋に戻ってひとり飲んだくれてしばらくしたら、遠くから爆竹の音が微かに聞こえてきて、それで年明けを知った。

大気汚染が激しいこの国では、年々規制が厳しくなり、中国人が大好きな爆竹も、段々とその音を聞かなくなってきた。

一年目はうるさすぎて腹が立ったものだが、聞こえねば聞こえぬで、なかなか寂しいものである。

 

紅包雨

そして、除夕から春節当日にかけて、中国版LINEであるWeChat(微信)では、「お年玉」(紅包)が雨のように次々と降ってくる、「紅包雨」が始まる。

日本では信じられないことだろうが、こちらでは、指導教授が学生に、そして学生が指導教授に「お年玉」をあげるのだ。

日本と違って、偽札の多いこの国では、電子マネーがビックリするほど普及しており、それこそ本物の現金なんて、私は滅多に触らない

その電子マネーを利用した「お年玉」を、学生の身分でも先生や同級生にあげるのが、こちらでは普通のことなのだ。

私は利用したことが無いのでその仕組みを完全には理解していないのだが、「紅包」は、まず送信者が全体の金額と、受け取り人数等を設定してからチャット上に送信するようだ。

「紅包」を送られた人(またはグループ)は、送信者が設定した任意の金額を受け取ることができる、という仕組みらしい。

金額は、送信者が「ひとりあたりいくら」と設定することも、「全体でいくら」と設定することもできるようで、後者の場合、ゲーム感覚で紅包を受け取ること自体を楽しんでいる…ようだ。

↑↑↑ 違ったら、どなたか訂正願います!! ↑↑↑ 

同じ研究室のグループチャットでも、皆が競って「紅包雨」を降らしていたのだが、実は私、これを受け取ったことがない

というか、受け取らないことにしている

だって、受け取ったが最後、自分も「紅包雨」を降らせなきゃならなくなるじゃん?(´◉◞౪◟◉)

そんなお金ないし、見栄は張りたくても、中国人と違って無い袖は振れないし。

もらうだけもらって、あとは知らんぷりなんてできないし。

だから、「うぉ~~、みんなスゲェな~~~!!!」と毎年「紅包雨」は見てるだけ。

 

寮もいつもよりは静かだし、春節も悪くないな、というのが私の毎年の感想である。

食っちゃ寝、食っちゃ寝で、顔はアンパンマン、持ってるパンツ(勿論ズボンのことだよ)も入らなくなった私は、一体何キロ増量したのか、もう考えたくもない…。

 

という訳で、毎年恒例の寝旧正月レポ終了。

 

中国及び中華圏にお住まいの皆さま、新年快乐!鸡年大吉!恭喜发财!