「本名は?」
こちらに来て、何度となく聞かれたのが
「本名は?」
である。
こちらに来た外国人は、アルファベット表記の名前を持つ人の場合、似た中国語の発音を取って、適当に漢字名をつけられてしまう。
例えば、Jake(ジェイク)だと 杰克(jie ke)、Anna(アンナ)だと安娜(an na)みたいに。
しかし例外もあって、非華僑系の東南アジア人やイスラム系のような、名前や苗字の間に一族の名前や地名などが入ってとても長い場合、その意味を聞いて、類意漢字を当てはめたりもする。
また、以上の例とも全く関係ないのに、中国人教師が勝手に中国名(王〇〇や、李△△のように)を付けたりする。
日本人や韓国人、華僑系〇〇人の人々は、元々漢字名を持っているので、それをそのまま使っている。
しかし、「北東アジア出身者には漢字名がある」という事実を知らない中国人も、実は結構多い。
かくいう私の同学たちも高学歴のエリート集団なのに、日本人は普通漢字名であることを何度説明してもわかってくれず、
「だ・か・ら、日本では本当は何という名前なの?」
と聞いてきていた。(;´∀`)
日本のドラマを見ている人は、どうやら日本人にも発音は中国とは違うが漢字名があるらしい、ということをうっすら知っているのだが。
これ、非漢字圏出身の留学生にとっても認識は同じらしく、いまだに言われる。
彼らにとって、漢字は中国だけのもの、という認識のようだ。
ところで、中国語の漢字は基本的に「一文字一発音」である。
例えば「中」は、中国語では「zhong」としか発音しない。
日本語のように「なか」、「ちゅう」、「あ(たる)」などという読みのバリエーションはない。
もちろん例外もあるが、それほど多くはない。
だから、一文字につき読み方(発音)にバリエーションのある日本の漢字は、漢字ではないと思われている節がある。
また、漢字圏出身者の場合、例えば「草彅剛」さんが
日本:くさ なぎ つよし
韓国:cho nan gang
中国:cao jian gang
と、同じ漢字なのに発音を変えて各国で認識されていることが理解できる。
しかし、非漢字圏出身者と漢字は中国だけのものと信じる中国人には、それが理解できないらしい。
この場合、何度説明しても、「中国以外にも漢字を使う国がある」「その漢字は国によって形や発音が違う」ということ自体を理解してくれないので、埒があかない。
では、しつこく「本名は?」と聞いてくる中国人&非漢字圏出身者には何と言えばいいのか。
それは簡単である。
名前をひらがなにして、書いて見せる。
これが正解。
見慣れない、彼らにとっては記号のような、絵のようなひらがなでフルネームを書いて見せれば、
「おお、やっぱりあるんじゃないか、本名が!!」
とみんなが納得、ニッコリ笑顔でWinWinなのだ。
同じ問題でお困りの方は、どうぞお試しあれ。(^ω^)