ZOO
私が知っているのは、菅野美穂さんが某ドラマでカバーされたバージョンであるが、皆さんはこの曲、ご存知だろうか。
- アーティスト: ECHOES,辻仁成
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ
- 発売日: 2000/07/19
- メディア: CD
- クリック: 38回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
人間のもつ様々な一面を動物に例え、それを総じて「動物園」(=ZOO)と表現してあるのだが、この国にいると、まさにそう思う。
ちょっと前のように、チャイナビジネスがもてはやされるより大分ずっと前に、成長著しい中国に目を付け、大学卒業後すぐに起業のためにこちらにやってきて、以降十数年にわたりこちらでビジネスをされていた、ある若き経営者の方がおっしゃっていたのを聞いたことがある。
曰く、「中国は飽きない」と。
なぜかというと、「動物園みたいだから」と。
なるほど、この言葉は大変奥が深く、言い得て妙だ。
- 「痰を吐くな」と書いてある看板の目の前で、所構わず痰を吐きまくる老若男女、
- バスや電車が来ると順番も守れず、我先にと乗車口に群がる老若男女、
- 目と鼻の先にトイレがあるにもかかわらず、公衆の面前で子どもにゴミ箱に排尿させる父母とそれを咎めもしない祖父母、
- 平気で嘘をついて、悪びれもしない老若男女
…etc...etc...
人民のZOOたるこの国では、人々の極めて野性的な振る舞いは列挙に暇がない。
先日、日本人の友人たちで久々に集まってダイニングバーで食事をしたのだが、まさに動物園の動物を観察している気分になった。
ちなみに、和洋中何でも美味しければ食べる、という日本人と違って、中国人は嘘偽りなく365日・3食決まって中華料理を食べる。
日本のように家庭料理で洋食が出てくることは、まずない。
しかし、中国人も豊かになった今、以前は外国人の姿しかなかった洋食屋に大挙して押し寄せるようになった。
もちろん、テーブルマナーなどは皆無の状態で、物珍しさと知り合いへ自慢するために、外国人の集まる場所にやって来る。
そして、ZOOっぷりを発揮してくれるのだ。
私たちが食事を楽しんでいる間、隣のテーブルには、計3組の中国人カップルが座ったのだが、そのどれもがナイフとフォークを使えなかった。*1
ナイフとフォークを、初めて見るアクロバティックな手つきで持ち、そして初めて見る切り方で切っていた。
また、初めて食べるであろう洋食を、めちゃくちゃ汚い食べ方で食べる。
私、パスタをフォークに巻き付けて食べられない人を初めて見たよ。
ちなみに、3組とも私たちは遠慮なくガン見しているのだが、3組とも、視線に全く気づかない。
日本人であれば、視線に気づいて「無作法な食べ方をしているのではないか」と心配になると思うのだが、それもない。
そして例外なく全員、クチャラーである。*2
なるほど、どの国に行っても平気で無作法で無礼な振る舞いをし、現地の人々から嫌われても、それに気付かなければ、世界中の人々の「中国人=恥ずかしいふるまいをする人々」という自覚もないはずだ。
私たちだけでなく、周りにいた外国人たちは皆、中国人のクチャクチャ音を立てて食べ、背中を丸めて犬食いする姿を、冷ややかに見つめているのだが、それに気付く中国人は一人としていない。
ある外国人なんて、中国人のクチャクチャ食べる姿を露骨に真似して嘲笑していたのだが、それにさえ気付かない。
英語がわかる中国人はまだ少数だし、人の振り見て我が振り直せない中国人だから、何とも思わなかったのだろうけど。
ZOOには、「よく似ているだろう」という歌詞があるけど、日本人と中国人はやっぱり全然似てないよ。
日本人が上記のことをされたら、恥ずかしすぎてきっと耐えられない。
日本人だったら、周りを見てすぐに自分の無作法さに気付く。気付かないなんてありえない。
日本人だったら、ナイフもフォークも使えないのに、外国人の多く居る場所に行こうなんてまず思わない。
「アジア人」と一括りにされることが多いけれど、正直、私は一緒にされたくない。
でも、中国にいる外国人はみんな気付くんだよね、このアジア人は「中国人ではない」って。
これってなぜなんだろう。
やっぱり、ZOOに来ている観客側だからなんだろうか。