He is a comedian!
共用洗い場で、お皿を洗っていた時のこと。
ロシア人同学が「You're Japanese?」と聞いてきたので、そうだよ~、と返したところ、「Takeshi Kitanoを知っているか」と問われたので、知ってるよ~と言ったところ、怒涛のマシンガントークが始まった。
なんでも、今、ロシアで「Takeshi Kitanoの映画」が流行っているそうな。
「Hanabi」が好きだ、あんたは何が好き?
と聞かれたので、
「多くの日本人にとって、彼はコメディアンに過ぎない。もちろん映画を撮っているのは知ってるけど、私はほとんど見たことがない」
と正直に答えた。
すると、
「OH, NOOOOOOOO~~~~~~!!!!!! He IS NOT a comedian!!!!!」
とかなり騒がれたんだけど、しょうがないじゃん、事実だし。
多分私、北野武が“ビートたけし”と言われている全盛期に子どもだった世代だと思う。
なぜ、“だと思う”という曖昧な表現になるのかというと、実家の教育方針でTVを見ないまま育っているので、実際に彼がコメディアンだった時代をほぼ見たことがないのだ。
大きくなって、バラエティ番組の司会(?)のような役割で出演しているのしか見たことがなく、コメディアンという認識もちょっと怪しい。
私にとっては、
『事故で瀕死の重傷を負った後、奇跡の復活を遂げて映画も撮っている、お笑い界の大御所』
というのが、北野武氏の正直な認識だ。(でもお笑いをやっている印象は薄い。)
あとは、“大学教授の弟さん”と言ったところか。
だからきっと、他の日本人よりも、北野氏に対する思い入れが少ない。
よって、見たことのある氏の監督作も『アウトレイジ』しかない。
でも、この作品を見たことのある方にはお分かりいただけると思うのだが、「見たことがある」というのも憚られるような、かなりのバイオレンス作品である。
だから、ロシア人同学には言えなかった。
ちなみに、上記2作品は、個人的には大変面白く鑑賞しましたよ。
“バイオレンス作品”って、自分と全く接点のない世界の“お話”なので、個人的には、完全なるフィクションとして鑑賞することができるのであります。
ホラー映画と同じようなカテゴライズなのだと思う、私個人の中で。
まあ、上記2作品も、中国人同学に
「あの作品はめっちゃカッコイイ!日本の黒社会(マフィア)について教えて!」
と言われ、普通の日本人であれば全く関わりのない世界だ、私も全く知らないしわからない、と何度説明しても信じてもらえなかったことから、半ばやけくそで見た、という経緯がある。
日本文化って、色々と誤解されているよなぁ、とつくづく思う。
- 日本人は老若男女皆、黒社会とつながりがある
- 日本人は老若男女皆、コスプレで街を歩く
- 日本人は老若男女皆、アニメを見る
もっともっとあるけれど、この3つは中国人を含む外国人に良く言われる、日本文化への間違った理解で、否定しても信じてもらえない。
っていうか、外国人ってその国の人が話すその国の事情を、平気で否定するのはマジでなぜなんだ?
知らないくせに、否定するなよ。
こういう事情については、過去記事参照
それから、中国人を含む外国人って日本のことを何にも知らないくせに、どうして「日本のどこ出身?」と聞くのだろう。
外国人が知っている日本の都市って、せいぜいトキオ、オォサァカーだけじゃん。たまにそこにキョウトォが入るけど。
知らないよ、多分わからないよ、と言っても「言ってよ!」食い下がるが、言うと案の定「知らない」という。マジ失礼だろ。
ちなみに私は、相手にとって失礼になるから、出身都市なんて聞かないよ。
だってロシアなんて興味もないから、地名なんてモスクワとサンクトペテルブルク、世界史で習ったウラジヴォストーク、オリンピックの開催されたソチくらいしか知らないもん。
※ あ、樺太は日本だと認識しております。っつうか、北方四島早よ還せや!
「人にされて嫌なことはしない」って、日本ではごく普遍的で基本的な教育だと思うんだけど、外国ではそれがとても珍しいことなんだな、としみじみ感じた、ある夏の出来事でありました。