みみずくDiary in China (だった)

中国留学からニッポンに帰国したみみずくによる普段着の徒然日記

どうなのよ、この値

こちらでの生活は、起床してまずPCを立ち上げて、PM2.5の数値を見ることから始まる。

PM2.5と中国の日常

もう数年来の習慣であるが、私が毎日見ている限り、青空とPM2.5の数値は無関係だ。人民は「今日は空が青いから空気がきれいよ」などと言うが、珍しく空が澄んでいても、PM2.5の数値は日本の基準値をはるかに超えている。

(というより、年間を通じて日本の基準値以下の日はほとんどない。)

また、PM2.5の数値が冬季に悪化する原因として、もちろん工場などからの排気ガス等もあるが、こちらではいまだに練炭を暖房として使っていることも挙げられる。

ちなみに今朝の値、約250μg/1㎥!!

(平均で、だよ。各地にある計測地点によっては、300μg/1㎥をゆうに超えている。)

日本の基準値が35μg/1㎥なのでどれだけ酷いかがわかると思う。窓の外を見ても、見える風景がPM2.5のスモッグで黄土色が掛かって見える。一目で危険と分かるレベルだ。今日は、寮内でもあちこちから咳き込んでいる声が聞こえてくる。

こりゃあ、今日は外出したら危険すぎるよ。でも、人民はPM2.5の存在すら知らされていない。だから、今日も「健康のため」と元気いっぱいに運動場を走っている

(誠に本末転倒な事態が、こちらでは日常風景と化している。)

凄いな。情報が恣意的に操作されているこちらでは、公開されているPM2.5の数値も多分下方修正されたものだと思っている。それを加味すると、きっと今日は平均値も300μg/1㎥を超えているんじゃないかと思う。

ちなみに、PM2.5に対する人民の知識は過去記事参照。

 

驚く - みみずくDiary in China

外国語を使うのを生業としていてこのレベルだから、一般人民の知識レベルは推して知るべしである。

それにしても、午前中でこの数値ってことは、気温がまた下がる夕方以降は一体どうなるんだろう。

意識啓発も教育次第

日中の最高気温も、今日は昨日に比べだいぶ低い。人民は練炭ストーブで暖を取ることだろう。新しいエネルギーを使った暖房機器の普及が望まれるが、現状を見る限り、こちらの人々は多分安価な練炭ストーブをこれからもずっと使い続けることだろう。

やはり、健康問題も環境問題も、教育の力がないと解決する訳ないと思う。

PM2.5の微粒子を体内に取り込むことによって身体に起こりうる健康被害や、クリーンエネルギーを用いた消費活動の有効性も、それを理解できる知力がないと、対策だって普及するはずがない。

この国が抱える人口は13億。

出生制限がなされている現在でも年々増加中で、黑孩子(heihaizi)と呼ばれる出生登録されていない子供の数を含めると、人口の数値自体も過少だと言われている。

もちろん経済力も教育水準も地方によって様々で、その格差の大きさは日本と比べ物にならない。

単純に日本の10倍の人口と考えて、賢い人もそうでない人も、豊かな人もそうでない人も日本の10倍いるこの国で、果たしていつまで政府は人民を統制できるのだろう。