中国人は日本語を読めない ※日本語学習者を除く
本日のお題は、タイトルそのままである。
多くの中国人は、
「中国人は日本語を読める」
と信じている。マジで固く信じている。
しかし、私に言わせればそれは「否」である。
恐らく、日本語には漢字があるのでそれさえ拾い読みすれば意味がわかると思っている。
オイオイ、寝言は寝て言うもんだ。逆(日本人は中国語を読める)はあっても、それはねぇよ。
まず、日本語と中国語では、文法が全く違う。
中国語は英語と似ているので、その文型は大体S(主語)V(動詞)O(目的語)であると思ってよい。
対する日本語は、SOVである。
例えば、日本語で「私は動物が好きだ」は、中国語では、「我喜歓動物」となる。
日本語が読めない中国人は、漢字だけ見ているので、視覚的には
・私□動物□好□□
と見えている。
確かに、漢字だけ見れば意味が取れそうではあるが、問題なのは、日本語の肯定否定を判断するには、文末を読まねばならない、という点だ。
しかも、述語は必ずと言っていいほど、ひらがなで書かれる。
漢字だけ読めたとしても、その文章が否定形なのか肯定形なのかは、ひらがなと日本語の知識がなければ、判断できないのだ。
例えば、前述の例を否定形にしてみよう。「私は動物が好きでない」は、漢字しか読めない中国人には、視覚的に
・私□動物□好□□□□
となり、漢字で与えられる情報は、肯定も否定も全く同じなのだ。
だから、多くの中国人は誤解しているのだが、漢字の知識だけで日本語の文章を理解できるとするのは、到底無理な話なのだ。
同じく、日本語にはひらがなの他にカタカナまである。
よって、日本語学習者以外の中国人が、漢字だけ拾い読みして日本語の文章がわかるということは、絶対にない。
しかし、逆は可能だ。
「我喜歓動物」は、中国語の知識がない日本人でも、何となくの意味はとれる。
「我」は、自分の意味だろうと推測はつくし、「喜歓」の意味はわからなくとも、“喜んで歓迎する”のだろうから、好きの意味かな、と推測がつく。
動物はそのままなので、漢字が簡体字であろうとも、何となく意味が通るのだ。
やっぱりね、日本と中国って、似て非なる文化と言語なんですよ。