みみずくDiary in China (だった)

中国留学からニッポンに帰国したみみずくによる普段着の徒然日記

同棲って損じゃない?

私が暮らしている学生寮は、外国人留学生がその大半を占める。

私がいるキャンパス自体が女子学生がなぜか多いのだが、一部分、もちろん男子学生もいる。

そこでちょっと気になるのは、男子留学生の一部は、中国人の彼女を部屋に引き入れて、学内で堂々と同棲生活を送っていること。

 

私が保守的なのだろうか、“学生は一律、学内で寮生活”というこちらのキャンパスライフにおいての同棲生活には、ちょっと抵抗を感じている。

“学び舎”と“同棲”が共存していることに、ある種の生々しさというか、拒否感があるのかもしれない。

学内ではなく、外部のアパートに部屋を借りて同棲している分にはまあ、ご勝手にと思ってしまうが、学内はちょっと、ね…。

 

私は割合誰とでもフレンドリーに会話をするので、その中国人彼女たちとも共用キッチンなどで会話をしたりするのであるが、ごくたまに、何とも言えない気分になることがある。

それは、結婚している訳でもないのに、彼女たちが“主婦”のようなことをしているからだ。

彼氏である留学生が、彼女である中国人女性の洗濯物をしたり、食事の準備をしているところは、記憶にある限り一度も見たことがないが、彼女たちはいつも、外国人留学生の彼氏のために、甲斐甲斐しく“主婦”を務めている。

名目上(もちろん実際には異なるのだが)、中国は性別分業が少ないと言われている。

いわゆる、「男性は仕事、女性は家事」という概念が薄いはずなのだ。

彼女たちも、中国人男性とお付き合いをしているのであれば、逆に男性に何でもしてもらっているはずだ。

ちなみに中国人女性は、仮に履いている靴の靴ひもが解けても、自分で紐を結び直すことすらしない。それは、一緒にいる中国人男性の仕事だからだ。

中国は極端な性別不均衡があるので、人口比を見ても、男性が多く、結婚できない男性も多い。つまり、女性が男性を選ぶ立場にあるのだ。

よって、中国人男性と交際する限り、中国人女性はわがままし放題、という状況に身を置けるであろうことは、想像に難くない。

なのに彼女たちはわざわざ、面倒な家事を引き受けることを選択している。

しかも、“同棲”という、何の法的保障もない、不安定な立場に身を置いているのに、だ。

その背景には、何があるのだろうか。

不安定な政治状況を鑑みるに、多くの中国人は、何とかして国外に脱出したい、と願っている人が本当に多い。

彼女たちも、そう願うひとりなのかもしれない。

 個人的には、同棲は男性に有利な制度であって、女性にはあまり利点がないと思っている。

それに、この同棲がちゃんとした保障のある“法律婚”へと結びつけばまだいいのであるが、経験上、同棲を経て結婚へと至ったカップルをほとんど見たことがない

見たところそのカップルの女性には、何も残っていないのだ。

残ったのは、“同棲経験のある女性”という、未だ不名誉な響きのある経歴と、“数年のただ働き”だけである。

同棲期間中、多くの女性はその相手の男性の家事労働など、アンペイドワークの大部分を担っている。

しかしたいていの場合、生活費は折半か、多少男性側が多く支払うのみに過ぎない。

今まで一人暮らしの時には自分でやっていた面倒な家事労働から解放されるのに、男性には金銭的負担がほとんどない、と言っても過言ではないのだ。

法律的にも面倒で負担の多い責任はないし、タダまたはかなりの安価で女性に家事労働をしてもらえる、そして時には恋人としての役割も果たしてくれる、という、美味しいとこ取りの制度なのだ。

※もちろん、同棲または事実婚の場合でも、その年数によっては法律婚と同等と認められ、法的責任を負わなければならないこともあるが。

こういう状況を数件見て、私は「同棲は男性に有利な制度」と思うに至ったのであるが、こちらでその中国人彼女たちの様子を見ていると、心から、法律婚へと至って欲しいと願わずにいられない。

まだまだ性的にタブーの多いこちらでは、“同棲経験のある女子学生”、しかも相手が外国人とあっては、彼女たちが社会的に受けるダメージは、日本よりも大きいものになると思うから。