みみずくDiary in China (だった)

中国留学からニッポンに帰国したみみずくによる普段着の徒然日記

末代皇帝

数年置きに『ラストエンペラー』(The Last Emperor)リバイバルマイブームが起きるのだが、どうやら今年がそれに当たるらしい。

『ラストエンペラー』は、言わずと知れたベルトリッチ監督作の映画である。1987年公開で、その当初のことはよくわからないのだが、地上波で見られるようになってから、何度と無く見てきた。

悠長な中国史の中で、近現代史が私は断然好きだ。特に清代は満州族が漢族を支配する、小が大を統治する時代でもあり、現代中国とはまたまるっきり趣が異なり、とても興味深いと思っている。

今こちらに来て本作を初めて見ているのだが、やはり理解というか、感じ方がより深まっているし、同時に脚色が過ぎる部分も目につくようになった。

とはいえ、やはり傑作は色褪せない。特に、日本人音楽家坂本龍一さんがプロデューサーとして関わっている音楽が素晴らしいと思う。ちなみに、今見ているのはオリジナル版で、英語のセリフに中国語字幕のものなので、ちょっとまた印象が違って面白い。

しかし、何語で見ても愛新覚羅溥儀を演じたジョン・ローンの演技は素晴らしいと思うし、皇后役を演じたジョアン・チェンも同じく良い。

でも、嵯峨浩役の髪型と衣装はどうにかならなかったのだろうか。“流転の王妃”として日本で知られる愛新覚羅溥傑妃が、全然日本人に見えない。日本髪でも朝廷風でもない変テコな髪型で、和服に見えない摩訶不思議な服装なのである。制作当時、誰も何も言わなかったのか。これも、大人になって見ているから気付いた点であろう。

また、私が見ている字幕では、坂本龍一さん演じる甘粕大尉が「駒井」姓になっている。何でや!英語でハッキリ「Mr. Amakasu」と言っているのに、字幕は「駒井」…。マジで何でやねん!っつうか、「駒井」って一体誰やねん!!これは、中国語字幕で見ているから気付いた点である。

色々と突っ込みどころはあるけれど、何度見ても良い映画だと思うし、当時の日本人と日本の描かれ方についても考えさせられる内容であると思う。

本日のタイトルは、『ラストエンペラー』の漢題から。確かにそうなんだけど、漢字になると、やっぱり印象が全く違うな…。

 

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