中国人は永遠に日本人を理解できない
もう内容はほぼ忘却の彼方に行ってしまったが、以前、孔健氏著の『日本人は永遠に中国人を理解できない』を読んで、おお、なるほどなぁと思ったのだが、最近逆もまた然りだと思う。
中国人は、永遠に日本人を理解できない。
まず、日本文化≒中華文化と捉えているところからして違うと思う。
一見似ているが、詳細を見るとまるで違う。
それが日本文化と中華文化だと思うが、中国人はその詳細を把握できていないというか、実はあんまり気付けていないんじゃないかと思ってしまう。
仮に、全てを「差不多」(大体同じ)と捉える大雑把な文化を中華文化とするならば、日本文化は些細な違いに着目して「やっぱり異なる」と細かく分析する。
また、中国人の理解する日本文化や日本人像は、あくまでも先の大戦期の出来事を基準としているように思う。
だからこちらで特によく言われるのが、「日本人の二面性」で、曰く「日本人は2つの側面を持っている。すなわち、勤勉/真面目さと野蛮さだ」とまことしやかに言われていて、皆がそのように理解しており、普遍的で揺るぎない真実であると固く信じられている。
しかし、この日本人像は、“中国人が信じたい”日本人像であるように思えてならない。
と言うのは、アジアの一部の国を除いて、このような日本人像はほとんど語られないからだ。
文化比較は本当に難しい。特に、教育・政治システムがまるで違う場合、理解は特に難しくなるように思う。
詳細を見ることの出来る文化にいる人間は、大雑把な文化を俯瞰して見ることも出来る。
しかし、大雑把な文化にいる人間は、細かい違いに注意が向かない。8割似ていたら、「ほぼ同じ」。あとの2割の差異などつまらない、瑣末で取るに足らないことに過ぎないのだ。
私のいる文化は、「差異が2割あるのだから別物だ」と理解するのであるが。
そうこちらが理解するしかない。
そんなことを考えた、ある秋の一日であった。
日本人は永遠に中国人を理解できない (講談社プラスアルファ文庫)
- 作者: 孔健
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/01/20
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